茜奏の愚勇伝

閉鎖します。ありがとうございました。

【大学】落単記録帳

前回のあらすじ。

 

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俺は留年でYは進級した。

 

完全に自業自得だが1年上になってしまったYとの交友関係は続き、それからもYはイイ感じに休みつつ大学に通っていた。

 

そして今回は、俺が落とした講義の記録を記そうと思う。

 

後世まで残しては行けないものだとは思いつつ残さずにはいられない。

 

記録①
なんで貴様だけ……。


Y「茜、〇〇の授業プリントある?」

 

それは、俺とYが履修した授業だった。

 

しかし、その授業はYは1度も出席しておらず、俺は毎回出ていた。

 

なので、そのプリントを写メして送り、レポートの内容を記載してラインに送っておいた。

 

しかし内心、授業には出ていないのだからレポートを出したところで、この講義の単位は厳しいと思っていた。

 

ところが、成績表の結果を見て驚くこととなる。

 

なんと、Yは単位を取れていた。

しかも、俺は単位を落としていた。


なんっでじゃぁああああああああああああああああっっ!!!

 

毎回出てレポートも出した俺が落ちて、なんで1回も授業に出ていないYが通るんだよォぉぉおっ!!

 

と、当時は理不尽に感じたが今にして思えばレポートは適当すぎたし授業も結構適当に受けていたような気がするので、何も言えまい。


とはいえ、Yが通るのは何とも納得しがたい話ではあるが。


記録②
大脱走

 

これは、Yと共に15回以上共に出席していた講義の話。

 

俺「いやー、この授業は楽だわー。レポートは適当だったけど、まあ通るっしょ」

 

Y「そりゃあ良かった」

 

なんて会話をしていた俺は、手の施しようがないほどにアホだった。

 

しかし先生は、講義が始まると同時にとんでもないことを言い出した。

 

先生「今からレポートの発表会を行う!」

 

俺「……ファッ!?」

 

先生「1人ずつ前に出て発表していってくださいね」

 

やばい……これはやばい。

 

なんの対策もしていないし、発表できるような代物ではない。(そんなもん提出すんなよ)

 

しかも、発表は2番目、策を講じている時間もない。

 

カクカクカクカク……。

 

Y「茜……?」

 

その時の俺は、脳痙攣を起こすボクサーのように震えていたらしく、Yは怪訝な顔を浮かべた。

 

そして、ついに「ヤツ」が始動した。

 

《逃げろ!逃げろ!》

 

脳内で警報が入る。


ヤツは俺が精神的にピンチな時に現れ、バイトだろうが試験だろうが関係なく鳴り響き、俺を脱走へと導く。

 

これが鳴りだした俺はもう止まれない。

止まることを許されていない。

 

俺「ちょっと……トイレ行くわ」

 

Y「?……お、おう」

 

 


そして俺は教室には戻らなかった。

 

半分以上も出ていた講義をいとも容易く落単させた……これは後に、伝説としてYによって語り継がれた。

 

語り始めればキリがない落単記録帳。

こんなものは後悔しか産まない。

 

しかし後悔なくして前には進めないのだ。

 

進め、燃え尽きるまで。

 

……。


留年黙示録アカネ 「完」