茜奏の愚勇伝

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【ブログノベル】灼熱のヌリエイター①

この物語は、塗り絵に魂を燃やす戦士……ヌリエイター達の熱き物語であるっ!!


ヌリオ「俺の名は塗夫(ヌリオ)。塗り絵の紙に封印されてしまった妹の縫理恵(ヌリエ)を救うために旅をしているヌリエイターだ」

 

ヌリオ「ヌリエの封印を解くためには、神の洗礼を受けた特殊な色鉛筆……その名も色神筆(いろしんぴつ)が必要なんだ」

 

ヌリオ「そして塗り絵に指定された箇所を全て色神筆で塗りつぶした時、ヌリエの封印は解かれるんだ!そのためには……」

 

主催者「さぁー!いよいよ第3850回、『塗り絵世界大会』を開始したいと思います!」

 

ギャラリー「ワーワー!」

 

主催者「この大会に優勝した者には、この赤色の色神筆が贈呈されます!」

 

ヌリオ「そう……まずはこの大会で優勝して、赤色の色神筆を手に入れなければならない。そうすれば、ヌリエの綺麗だった赤い髪色の部分を塗ることができるんだ!」

 

主催者「それではまず、予選の1vs1の『早塗り対決』を開始したいと思います」

 

主催者「『早塗り対決』とは、その名の通り指定された塗り絵の用紙をいかに早く仕上げられるかを競います。紙を破いたり紛失した場合は、その時点で失格となるので注意してください!」

 

ヌリオ「なるほど、誰が相手だろうと、俺は負けんぞ!」

 

???「ククク、それはどうかな?」

 

ヌリオ「な、なんだと!?」

 

ユビキリ「俺の名はユビキリ。お前の対戦相手だ。よろしくな」

 

ヌリオ「(なんと禍々しい雰囲気を纏う男だ……狂人の目付きをしている!)」

 

主催者「それでは、用紙を配ります。繰り返しますが、替えはききませんので塗り間違いや紛失は失格となります!」

 

主催者「今回の塗り絵のお題は『ひまわり』です!」

 

ヌリオ「よかった。大会というから緊張したが、普通に簡単そうな用紙じゃないか」

 

ユビキリ「ククク、そうだな。しかしお前は、俺が対戦相手になったのが運の尽きよ……これを見ろッ!!」

 

バッ!

 

ヌリオ「なにぃいいっ!?指がない……いや、本来指があるべき場所に生えているのは、色鉛筆!?」

 

ユビキリ「そう、俺は塗り絵のために10本の指を犠牲にし、10色の色鉛筆を移植した」

 

ヌリオ「ば、バカな……」

 

ユビキリ「もはや俺にとって色鉛筆は体の1部。10本の色鉛筆を同時に駆使することで、誰よりも早く塗り終えることができるというわけだぁああっ!!」

 

ヌリオ「なんだとぉおおおっ!?」

 

主催者「それでは用意……スタート!!」

 

ユビキリ「オラオラオラァアアアッ!!」(シュバババッ!)

 

ヌリオ「は、早い……そして一切の塗り間違いもなく正確だ!」

 

ユビキリ「俺は塗り絵に命をかけてんだよォ!お前みたいな甘ちゃんはとっとと帰りなァ!」

 

ヌリオ「うぐぐ……ど、どうすればいいんだっ!!」

 


塗り絵世界大会の予選にて、早くも大ピンチなヌリオ!

ここで勝たなければ、妹のヌリエは取り戻せない。

この局面、どう乗り切る!?

 

次回、「灼熱のヌリオ」

 

塗り絵、スタンバイッ!